MAMORIO開発報

"点を面に"紛失防止タグMAMORIOとユーザーが叶える"なくすをなくす"社会

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紛失防止タグMAMORIOの販売促進に携わる株式会社ワイヤレスゲート。販売に至った経緯、MAMORIOに期待する将来について担当者であるお二方にインタビューしました。そこには通信事業社ならではの視座から、問題意識や希望がありました。株式会社ワイヤレスゲートが語る、MAMORIOの本質とは……?

MAMORIOは“おもしろい”第一印象は誰もが一致していた

通信会社のノウハウを駆使し、あらゆる機器やシーンでのインターネット接続について可能性を広げている株式会社ワイヤレスゲート。営業本部長を務める成田さんは、紛失防止タグMAMORIOとの出会いを思い出して、顔をほころばせます。

ヴィジョンの明確な、必要性のある商品MAMORIOとの出会い

成田さん 「第一印象は“おもしろい”でした。商品に溢れたこの時代、必要だと思えるものって珍しいんです。それは通信技術を活かした最新商品でも言えることです。MAMORIOと出会った当時、日本で“紛失防止タグ”という商品は珍しいものでした。一方、MAMORIO株式会社には“なくすをなくす”という明確なヴィジョンがありました。この商品の必要性を感じましたね。まだ知られていない必要性のある商品と関われることは、とてもおもしろいことでした」

その“おもしろさ”は、同社でアカウント・エグゼクティブを担当する濱川さんも感じたものでした。

濱川さん 「MAMORIOはIoTの技術を使った新しい商品で、インターネット上でも話題になりました。MAMORIOを実店舗で販売することを考え、IoT商品に関心を抱いていたヨドバシカメラと意気投合しました」

ヨドバシカメラで展開されたMAMORIO

家電量販店として日本国内4位の売上高を誇るヨドバシカメラ(2017年12月現在)では、その実店舗で発売されることで商品が多くのユーザーに注目されます。

濱川さん 「MAMORIOの持つ社会性と新規性は、ヨドバシカメラの顧客層ともマッチしています。販売担当者の方もおもしろさを共有できていましたね。実店舗発売前から話題が広まり、発売当初は在庫切れという嬉しい驚きも」

インターネット上で話題になる商品は数あれど、実店舗でユーザーが求める商品は限られます。こうした顧客からの反響は、MAMORIOの有用性を販売店舗が実感するものでした。

ヨドバシカメラの商品展示方法やポップなどは、各店舗のスタッフに任される部分が多く、店舗ごとに特色のある展示となっております。ユーザーからのニーズに応え、MAMORIO特集やMAMORIOのみを扱う展示が各店舗に広がっていきました

成田さん 「ヨドバシカメラのある店舗では、なくした財布が見つかった実体験の声を、“僕は助かった”というメッセージと写真付きで貼っていましたね……とても効果的だと感じました」

濱川さん 「秋葉原の店舗では、お子様のランドセルにつける、ペットの首輪につけるなどの利用方法を実際に展示してくれました。こういった工夫は、ヨドバシカメラ側の狙いがあって初めて実現していることです。担当者一同が、MAMORIOのおもしろさを主体的に伝えようとした結果ですね」

MAMORIOのMAMORIO Spotが示唆する未来

株式会社ワイヤレスゲートは、MAMORIOのおもしろさを実店舗での販売を通じてユーザーへと広めていきました。それはMAMORIOの機能や将来性そのものを育てるプロセスにもつながります。

MAMORIO Spotと社会

紛失防止タグは、タグをつけた何かが自分の身から離れたことを知らせる機能が一般的に知られています。MAMORIOは、更に多くのユーザーのなくした物が見つかるよう、MAMORIO Spotを開発しました。

MAMORIO Spotとは、駅や街の拠点に設置されるMAMORIOを認識するスポットです。MAMORIOがつけられた落とし物がMAMORIO Spotに届くと、ユーザーに知らされます。このMAMORIO Spotに、濱川さんはある未来を見ていました。

濱川さん 「高齢化社会では、MAMORIOを求める層は広がっていくと思います。MAMORIOの新しさに惹かれるアーリーアダプターからマジョリティへと商品が浸透すればするほど、MAMORIO Spotの必要性は高まるでしょう。駅だけでなく、コンビニなどの店舗にもMAMORIO Spotが広がれば、通勤・通学を必要としない層もMAMORIOを利用しやすくなります」

MAMORIO Spotは相模鉄道グループ、東京地下鉄をはじめとした駅の遺失センターや、高島屋など一部店舗に設置されています(2017年12月現在)。東京を拠点としたMAMORIO Spotの拡大に対して、成田さんは地方展開への期待と課題双方に触れます。

点を面にしていく、MAMORIOの全国展開

成田さん 「日本全国どこでも物が見つかるという目標を掲げるならば、人の少ない場所でも物が見つかるシステムが必要になりますね。MAMORIO Spotが広がることは、MAMORIOの地方での利用を可能にします。一方、ただ落とし物が届くスポットを増やしていくだけでは、MAMORIOの点を面にしていくことは難しいかもしれません」

通信事業を通じ、IoTの技術浸透のただ中にいる株式会社ワイヤレスゲートは、“点と面”でMAMORIOの実用方法を捉えていました

成田さん 「例えば、ある自治体の中でMAMORIOを全員が持っていて、その自治体の中で独自の活用方法が存在する。あるいは、お祭りやイベントなどの決められた範囲やルート上でMAMORIOを利用する。そんな身近な範囲ごとの面を作っていくことが、MAMORIOの全国展開の在り方なのではないでしょうか。MAMORIOは、ひとりひとりが点としてMAMORIOを持っている状態ではなく、ユーザー同士が面を創り上げていくことで、本領を発揮するものだと感じています」

MAMORIOは、ユーザーの生活スタイルと密着しながら、エリアや行動パターンに応じて変化していく。その未来は、IoTにより実現される最先端の生活でありながら、人のぬくもりを感じるものです。

MAMORIOはインフラになり得る ー必要とされる商品への信頼

MAMORIOの普及について様々な将来性を語った二人には、MAMORIOの永続性に対する揺るがぬ信頼があります。それは、MAMORIOが販売から年数を経てもなお注目され続けることに裏打ちされていました。

ロングセラー商品であることの信頼性

濱川さん 「新しいものが好きな層をターゲットにしたIoT関連の商品は、一時話題にはなるものの、すぐに忘れられてしまうものです。MAMORIOはそういったIoT関連商品には珍しく、ロングセラー商品になっています」

2014年、クラウドファンディングによる資金調達からスタートしたMAMORIOは、以降インターネット上での売上を土台に実店舗への展開を広げ、様々なメディアから注目され続け現在に至ります。その息の長さは、単なる物珍しい商品ではないことの証でもありました。

濱川さん 「自分の生活に密着していること。MAMORIOが必要とされる、一番のポイントだと思います。落とし物をしない人って、めったにいないですよね。だから自分にとってMAMORIOが必要なんです。娯楽を目的としたIoT関連の商品は多くありますが、ユーザーにとっての必要性は低いですよね。ここがMAMORIOと他IoT関連商品との大きな差でしょう」

なくすをなくす社会の実現に向けて

MAMORIO株式会社の代表取締役である増木は、“なくすをなくす”ことを目指し、webサービスの提供から商品開発、そして拠点作りへと事業内容を変化させていきました。物をなくすことによる精神的ダメージや物理的損害を、社会が忘れられるように。その想いは、確実に消費者へと届きつつあります。

成田さん 「生活がより便利に、というフレーズはよく聞きます。誰もが自分の生活をより良くしたいと願っています。けれど、本当にその商品が生活に直接的な影響を与えるか考えると、難しいところです。その点で言えば、MAMORIOはユーザーに非常に近い商品です。先ほど取り上げたMAMORIO Spotの他、ユーザー同士でなくしたものを見つけるクラウドトラッキング機能も、使うシーンが明確に見えます。実店舗での販売に成功したことは、ユーザーとそのヴィジョンを共有できていることの証拠でしょう」

濱川さん 「人生で一度でも、MAMORIOのおかげでなくしたものが見つかる経験をしたら、絶対手放しませんね。“助かった”という思いは、かけがえのないものですから」

そう語った濱川さんは、冗談っぽく笑いながら「僕たちも使っています」と付け加えます。成田さんのネームタグには、MAMORIOがつけられていました。

成田さん 「だからこそ、MAMORIOは単なるIoT商品ではなく、その先にインフラになり得る商品だと思っています」

株式会社ワイヤレスゲートが物語るMAMORIOは、インフラという未来の姿を垣間見せます。

MAMORIOを通じて、社会を守っていきましょう

MAMORIOを一言で伝えるならば、という問いに対しては意外な言葉が。

MAMORIOは忘れ物の消失とともに忘れられていく

成田さん 「MAMORIOは持っていることが当たり前になっていく商品です。それこそインフラとしてごく自然に溶け込んでいて、いつのまにか忘れられるくらい当たり前のものになっていくと思います。その未来が、楽しみです」

MAMORIOを商品内に埋め込んだ手袋や財布が開発され、販売開始しました。MAMORIOの存在意義は商品に内包され、そのものは“なくさない”ことが当たり前のアイテムとなります。

MAMORIOが掲げる“なくすをなくす”社会が本当に実現したならば、忘れものという概念は消失する。忘れものをなくしたいからMAMORIOをつけるのではなく、全てのアイテムがMAMORIOを内包し、全ユーザーがMAMORIOを忘れていく。

それは、MAMORIOが志す“なくすをなくす”ことの最終的なゴールであり、長い歴史の中で無数の人々が悩んだ忘れものという問題が解決されることを意味します。

社会という面にはたらくMAMORIOへ

濱川さんは、MAMORIOをまだ知らないユーザーに対して、将来性を鑑みたメッセージがありました。

濱川さん 「MAMORIOを通じて、社会を守っていきましょう。なくすものがなくなる社会は、もちろん犯罪防止にもつながりますし、精神的ストレスも軽減された社会になるはずです。MAMORIOは、使う人が増えることで問題解決力を高める商品です。より多くの方に届き、MAMORIOが社会を面でカバーできた時、きっと私たちは“忘れものを忘れられる”のです」

MAMORIOは、点であるユーザー個人と密接に関わりながら、社会という面に作用し、忘れものという問題を解決していく商品です。“なくすをなくす”という信念とIoTの技術を掛け合わせたMAMORIOは、使うユーザーの増加という要素なくして、そのミッションを達成できません。

この性質に対して“おもしろい”と感じた株式会社ワイヤレスゲートの成田さんと濱川さんは、MAMORIOをユーザーへ届ける一つの道を拓いてくださいました。協働は今後、実店舗での販売という形以外でも広がるかもしれません。

そして、MAMORIOは販売店舗や関連企業の皆様とともに、今も進んでいます。その先にある“なくすをなくす”社会を目指して

世界最小クラスの紛失防止タグ「MAMORIO」について

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