研究レポート

「忘れっぽい人生」の被害総額を試算してみた―32歳女性の場合―

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「もしモノをなくさなければ、どれだけのお金や時間が無駄にならなかったか」。よくモノをなくす方々は、一度は頭をよぎったことがあるのでは? この疑問に答えるべく、幼い頃から忘れものをしまくっていたMAMORIOラボのライター・宿木(やどりぎ)が、忘れたモノを振り返り一覧にし、その被害総額と捜索時間をまとめてみました。忘れものをなくすことの大切さ、ぜひ私と一緒に噛み締めましょう。

生粋の忘れっぽい人って、人生でどれだけ忘れてるんだろう?

よく物を落とす人

こんにちは、MAMORIOラボのライター宿木です。MAMORIOラボの「忘れもの」をテーマにした企画記事やユーザーインタビューを執筆するたび、生々しい忘れもののエピソードに対して「それわかる!」と共感しております。

というのも、私、生粋の忘れっぽい人間です。もし自分が忘れっぽい人間じゃなければ。もしこれまで失ってきたモノがすべて手元にあれば。あんな人生、こんな人生があっただろうか。そんな夢想が頭をよぎることもしばしばあります。

今回は宿木が32年間で忘れてきたもののエピソードを振り返るとともに、その被害総額を計算してみます。「私ってば忘れっぽいんだよネ!テヘペロ!」では済まされない損失が生じていることを、まだそこまでダメージを受けていない方々にお伝えできれば幸いです。

何度過ちを犯しても忘れてしまう、「忘れっぽい」人間の悲しき人生

小学校~高校時代――心に深い傷を残した忘れものたち

いったいいつから忘れっぽかっただろう。思い返せば、学校に通学し始めた頃から何かと忘れものをしていた記憶があります。

強烈な記憶として残っているのは、小説を書いたノートを学校に忘れたことです。まだパソコンなんて持っていなかった小学生の頃、私は学生用のA4ノートに小説をしたためていました。自分に似た主人公が登場する、学園ファンタジーラブコメです。あまりに楽しく、授業中もせっせと書いていたため、このノートを机の中に忘れて掃除担当だったスポーツ万能の田中くん(仮)に見られてしまいました。それから私は小説にかこつけた冗談で男子たちにからかわれ、スポーツができる男子がめっぽう苦手になってしまいました(反動で陰キャ男子が魅力的に見え、V系にハマっていく話はまた別の折に……)。

思春期だった私が失ったものは大きかった。二度とモノを忘れない。そう心に誓いました。

しかし、それから年月が経った高校一年生の夏、下校中に乗っていた電車の荷物棚に体育用のジャージを忘れました。「ああ!またやってしまった!」と衝撃を受けつつも、苗字が刺繍されている汗臭いジャージなど誰も興味を持たんだろうと高をくくり、余裕の面持ちで忘れものセンターに問い合わせたのを覚えています。

しかし、ジャージはたった数駅の間に誰かに拾われ、結局私のもとへは戻ってきませんでした。「なんであんな使い込んだジャージを……」と首をかしげる私に、「使い込んでるから良かったんだよ」とニタニタ笑った友人の顔が忘れられません。

これらの体験で私が痛感したのは、自分の手を離れたモノは、思いもよらない形で他人のモノとなり、自分に精神的なダメージを与えるということです。当時は金銭的なダメージよりも、こういった心に受ける傷のほうが、忘れものの代償として大きいと感じました。

大学時代――他人に迷惑と傷を与えてしまった忘れものたち

大学に進学し、上京しました。夢の一人暮らし、TOKYO、キャンパスライフ。情報も娯楽も過多になった私忘れものの規模は一気に大きくなりました

住んでいたマンションの鍵を2回なくし、いずれも鍵の付け替えで多額の費用がかかりました。財布は3回なくし、うち2回は戻ってきていません。図書室で借りた本をなくしたときは、さすがに文学少女(自称)失格だとへこみました。ピアスやハンカチ、USBといった細々したモノに至っては、なくした回数すら忘れるほどなくし続けました。

一番記憶に残っているのは、当時交際していた彼氏から贈られた指輪をなくしたことです。大学生にしては高額な指輪でした。若人の戯言ではありますが、一生を誓い合って指にはめた逸品です。はちゃめちゃに楽しかった飲み会の翌朝、薬指から消えていることに気づきました。

なくしてしまったことを伝えたときの空気は、人生トップ5に入るくらい重かった。それが原因で別れたわけではありませんが、別れる一因にはなったでしょう……私のいい加減さを象徴したようなできごとだったから……。

図書館やマンションの管理人さん、彼氏や友人など、ありとあらゆる人に忘れものによって迷惑をかけまくった大学生活でした。それでも私は、「社会人になったら自然としっかりするんやろうなあ」と鼻をほじっていました。これほど深刻な悪癖が自然に直るわけがないだろうに……。

社会人時代――人生で一番へこんだ忘れもの

社会人になっても中身はなんら変わっていないので、私は相変わらず忘れものをし続けていました。なんなら過労で以前より集中力が衰え、忘れものの内容はさらに悪化していきました。

財布は4回落とし、うち2回は返ってこず。会社の鍵がついたキーホルダーをなくしたときは、上司から「うちの会社の鍵、付け替えたら300万かかるってさ」と言われ、これは切腹案件だな、と青ざめたのを覚えています。あの会社がMAMORIO Bizを利用していれば……なんて今なら思いますが、当時はそういったサービスがあることすら知りませんでした。

そんな疲労困憊ドタバタの日々の中で、人生初のボーナスが振り込まれました。私はそのボーナスで、当時の新型MacbookAirを購入。軽々と持ち運べるサイズ感に心躍らせながら、真新しい純正ケースに入れてノマドワークでもしようと出かけました。スマホでおしゃれな電源カフェを調べるため電車の荷物棚にMacbookAirを置き、忘れて次の駅で降りました

ことの重大さに気付いた瞬間、全身の毛穴が開くような寒気が走りました。すぐにホームで駅員さんに伝え、車両を次の駅で確認してもらったものの、MacbookAirはもうそこにありませんでした。買って3日めでした。まだ諸々のソフトすらインストールしてませんでした。きっと高く売れたでしょうね。あるいは、どなたかが大切に使ってくださったでしょうか……。

この忘れものは、私の人生観、いや、忘れもの観を変えました。以降、『MacbookAirに比べればたいしたことないか』という、一生超えられない比較対象ができてしまったのです。

そして毎年いくつもモノがなくなります。自分の心を守るために忘れものに対する感覚は鈍くなったものの、被害総額は増える一方。

フリーランスになってから、私は故郷札幌と東京の二拠点生活をするようになりました。ただでさえ忘れものが多かった人生に、定期的かつ大規模な拠点移動。なんでこんな生き方を選んだんだと自分でもツッコミたくなります。

ホテルやコワーキングスペースでの忘れものは日常茶飯事だったのですが、一番大きかった忘れものはバッグそのものです。ノートパソコン、レコーダー、取材のための資料、鍵、財布……ぜんぶ入ったまま、スマホとチケットだけもって空港のトイレにバッグを置き忘れました。

チェックインする寸前で気付き、全速力でトイレに引き返しました。あのときだけはアスリート並の脚力を発揮していたはず。あのバッグが誰かに拾われたら、私のフリーランス生命は尽きる。仕事道具も何もかも失くし、取引先の情報まで漏れてしまう……!

過去に会社の鍵をなくしたときは、焦りつつも、心のどこかで「会社がどうにかしてくれる」という甘えがありました。でもフリーランスの私のなくしものが原因で取引先に迷惑をかけてしまえば、誰も守ってくれません。

奇跡的に、バッグは空港内の忘れものセンターに届いていました。その場でへたりこんで、泣いてしまったのを覚えています。あとで財布の現金だけが抜かれているのに気付きましたが、もうそんなことは小さなことだと思えました。

このままじゃいけない。ようやく私は、このトイレの中で現実と向き合いました。こんな私では、忘れものが原因で取り返しのつかない事態を引き起こしてしまうはず。でも、どうすればいいんだろう。

そんな悩みを抱えていたころ、偶然出会ったのがMAMORIOです。Wantedlyで記事執筆の仕事を依頼してくださったことがきっかけで、私は「こんな自分にぴったりなプロダクトを作っている企業さんがいたのか」とおどろきました。

以降、鍵やノートパソコンといった貴重品にMAMORIOをつけるようになり、おかげさまで忘れものによる悲劇はなくなりました。それがつい最近、29歳になった頃のことです。

被害総額&捜索時間、算出してみた

さて、長々と人生の忘れものを振り返ってきました。ここからが本題です。私はこの忘れものに彩られた人生のなかで、いったいどれほどの経済的損失を出し、どれほど忘れものを捜索したのでしょう。概算ですが、一覧にしてみました。どうぞ!

忘れもの 発見 損失額 捜索時間
文房具/教科書/特別教材等 0円 年間30時間×学生時代(12年)
小説が書かれたノート プライスレス(失われた自尊心) 0時間
ジャージ 1万円(やむなく再購入) 1時間
鍵(自宅) 2万円×3回 平均4時間程度×3回
財布 0円(※家や職場で見つかったため) 平均6時間程度×3回
財布 平均2万円×4回(※当時入っていた現金。ほかカード停止など諸々) 平均6時間程度×4回
図書館の本 約3,000円 2時間程度
ピアス/ハンカチ/USB等 平均3,000円×10回以上 各1時間程度
彼氏にもらった指輪 48,000円 10時間以上
会社の鍵がついたキーホルダー 8,000円程度(鍵自体は職場内で見つかったので事なきを得たが、見つかるまで家に入れず、一泊ビジネスホテルを利用した) 12時間以上
MacbookAir 約13万 3時間(諦めきれず以降1週間は問い合わせ続けた)
イヤフォン 9,000円 1時間
メガネ 14,000円 3時間
サブバッグ(出張用) 抜かれた現金30,000+飛行機チケット代

(捜索時間があったため、予定の飛行機には間に合わなかった)

4時間
モバイルバッテリー 2,000~15,000円×3回 1時間×3回
電子書籍デバイス 0円 2時間
合計 45万5,000円~ 455時間~

 

……ヤバい、自分で企画しといて、自分で泣きそう。そんなに大きく見積もってないのに、大きい数字が出てきちゃった……。これ、『少なくとも』の数字なので、実際はもっと大きいです。ちょっと想像つきづらいと思うので、具体的な例に変えてみましょう。

もしもなくしていなかったら……

もしもこれらのなくしものをしていなかったら、捜索時間ぶん、つまり約19日間人生にゆとりがあったことになります。19日間あれば何ができるでしょうか。ゆっくり映画を観て、本を読んで、ちょっとした旅行も楽しんできても、まだ時間のお釣りがきますね。その時間ずっと焦りながらモノを探していたのかと思うと、目から水が……。金額のほうはどうでしょうか。41万円あれば、57インチのモニタが買えます。投資しても良かったな。車の頭金も払えたな。ふと思いついて旅行プランを調べてみたら、5日間のハワイツアーが出てきました。

あれ、ちょっと待てよ。ということは、私はもしこれまでのなくしものがなければ、5日間のハワイ旅行には金額面でも時間面でも余裕で行けた……!?なんということだ……!!

忘れっぽい人は無理せずアイテムに頼ろう!!

これは実体験をもとにした持論ですが、忘れっぽい性格はよほどの強い意志をもたなければ直りません。私はたびたび忘れもので嫌な思いをしつつも、なあなあにした結果、これだけの損害を出していました。

では、忘れっぽい人はどうすればいいのでしょうか。私は、意固地にならず自分をサポートしてくれるアイテムに頼るべきだと思います。

今でも忘れられないMacBookAirは、MAMORIO FUDAを貼っていればだいたいの場所が把握できたでしょう。人生で何度も忘れてきた鍵や財布も、MAMORIOやMAMORIO CARDで守れたモノたちです。さすがに指輪や図書館の本にタグはつけられませんが、MAMORIOをつけるようになってから、こうしたMAMORIOをつけられないモノもなくすことが少なくなりました。要は、モノの有無の意識を外部からサポートしてもらうことが大切なんです。

忘れっぽい同士の皆様、今一度自分の人生の忘れものたちを振り返るとともに、今後の自分をしっかりサポートしてくださいね!

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