落とし物や忘れ物をしたら、まずやるべき「遺失届」の提出。その書き方しだいで、落とし物が見つかりやすくなるらしいんです。今回は、警察官や“落とし物の達人”に、遺失届の記入にあたって注意すべきポイントを聞いてきました。この記事を読んで、ツボをおさえた遺失届を提出すれば、落とし物の発見率が上がるかもしれませんよ。
遺失届の記入が不正確だと、落とし物が発見されても戻ってこない!?
遺失届(遺失物届)の書き方のポイントを説明する前に、遺失届の提出先と、提出で期待できる効果をおさらいしておきます。
遺失届(遺失物届)の提出先と効果
「遺失届」は、最寄りの警察署や交番で受理しています。
所持していた人の手元から物品が離れた場合、その対象を「遺失物」と称するため、この届出のことを「遺失物届」と誤解している人が多いようですが、正式な名称は「遺失届」です。
警察署や交番は「遺失届」をもとに、届いている落とし物と落とした本人の情報を結びつけて確認。落とし主であることを確認できれば、届けられていた落とし物を遺失届の届出人に返還してくれます。
遺失届を提出するだけで、落とし物が見つかる可能性UP
日本は落とし物を拾って交番や警察署へ届け出る習慣が広く根付いているため、遺失届を出すことで落とし物を取り戻しやすい環境です。
ちなみに、「落とし物が返ってくる」という日本の特色は、他国と比較したとき際立ちます。各国の落とし物への対応についての調査結果が気になる方は、関連記事をご覧ください。
遺失届には、紛失したときの状況や日時、落としたものの詳細な特徴などを記入する必要があります。時間が経ってしまうと情報があいまいになり、せっかく落とし物が届いていたとしても、照合が難しくなることがあります。
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落とし物防止|紛失防止タグMAMORIO
手元から離れると、いつどこで失くしたかをお知らせ。スマートフォンで、大切なものを見守れます。
お財布、鍵、バッグなど、大切なものに付けておくと、置き忘れたり、見失ってしまった時も安心です。
遺失届の書き方のコツを、落とし物の達人が解説
では、遺失届をどのように書くと、落とし物をより見つけやすくなるのでしょうか?
今回は、遺失届を10回以上書いたことがある“落とし物のプロフェッショナル”(!?)であり、MAMORIOユーザーでもある小林さんに遺失届を記入するときのポイントを伺いました。
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落とし物を5W1Hで詳細まで書く
――さっそくですが、遺失届を書く時のポイントはズバリ何でしょうか?
小林:落としたものの特徴を端的に伝えることです。遺失届には落とした物について書く欄があるのですが、ここに正確な情報を書くことが見つかりやすさにつながります。
物を特定できる情報は特に重要です。個人情報の有無など、唯一無二の情報があればベストです。
――遺失届を書く時のポイントは?
小林:時系列に沿って、落ち着いて情報を整理することです。
落とし物をしたとき、パニックになって落とした時間や場所を正確に記入できないことがよくあります。
私の場合は、「最後にどこで見たか」と「どこで落としたことに気付いたか」を分けて考え、冷静に「どこで落としたか」を推測するよう心がけています。
――遺失届を書く時を想定して、普段からできる準備は?
小林:財布のなかの金額をある程度把握しておくと良いかもしれません。万が一財布を落とした場合、遺失届には財布の現金がどれほどあったか書く欄があります。
財布の中身がどれほどあるかも一つの情報となりますので、日ごろから金額をチェックしておきましょう。
詳細すぎると特定の際に逆効果の場合も
――遺失届を書く時、気を付けるべきことは何でしょうか?
小林:あいまいな情報を断定して書かないことです。
遺失届に書かれた情報は持ち主を特定するための情報でもあるため、本来の落とし物と遺失届の記入が食い違うと、本人だと判断されない危険があります。
――詳細まで書くことを意識すると、思わず間違えて書いてしまいそうですね。
小林:普段とは違った状況に置かれると、つい慌てて遺失届を書いてしまいがちです。
もしもとても大切なものを落としてしまってパニック状態だと感じたら、一度落ち着く時間を取ってから記入したほうが良いかもしれません。
遺失届のフォーマットはインターネット上でも探すことができるので、無理にその場で書こうとする必要はないでしょう。
ちなみに警察側がチェックするポイントは?
遺失届について記事を書くにあたり、複数の警察署や交番で、遺失届で注目するポイントについてヒアリングを行いました。
――遺失届を読む時、警察側が気にするポイントは?
警察官:全部です! 何一つ見落とせる項目はありませんよ。
――(そりゃそうか……)そのなかでも、コレ!という情報があれば……!
警察官:落とし物の種類によりますね……。一番大切なのは、特定できることなんです。
本人の情報が何かしら入っていたり、商品でも違いが一目でわかりやすい工夫がされていたりすると、当然手間がかかりません。
――でも全部に名前を書くというのも気が引けますね。
警察官:例えば固い製品だったら、何かシールを貼るなどの方法で構わないと思いますよ。財布だったら、カードや現金以外の変わったものが入っているとか。以前、押し花が入っていることで特定した財布がありましたね。
「黒い長財布」、「Androidのバッテリー」と言われても、ほとんどの場合それと似通った複数の忘れ物が届いている状態ですから、ご理解いただけるとうれしいです。
――なるほど。ちなみに、MAMORIOにはアイテムの写真を撮ってスマホアプリに登録できる機能があるんです。これ、照合に役立ちますか?
警察官:特徴がわかる写真であれば役立ちます。例えば、鍵であれば、鍵本体よりキーホルダー側を撮影してくれたほうがありがたいですね。
遺失届の書き方をマスターして、いざという時に備えよう
遺失届の書き方のポイント、つかめましたか? 最後に、落とし物の達人と警察官が教えてくれた、“落とし物の発見率が上がるかもしれない遺失届けの書き方”をおさらいします。
- 遺失届の記入は心を落ち着かせてから。時系列に沿って状況を冷静に整理すれば、記入ミスを防止できる
- 遺失届にあいまいな情報を断定して記入することは避ける
- 持ち物に特徴を作る。持ち物の中身はマメに確認する。特徴や具体的な中身の記載が落とし物の特定に役立つ
落とした物がせっかく交番や警察署に届いても、ポイントを押さえた遺失届(遺失物届)がなければ、モノはあなたの手元には戻ってこないかもしれません。「落とし物をした!」と気づいたら、ひとまず気持ちを落ち着かせて、本記事を参考にポイントをおさえた遺失届を提出してみてください。
ちなみに、もしこれを読んでいるあなたが落とし物をする前なら、紛失防止タグ「MAMORIO」を持ち物の中に入れておく、という落とし物予防策もありますよ。ご一考を!